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情報セキュリティの経験・知識を証明できる情報処理安全確保支援士(登録セキスぺ)について解説!

近年、企業や個人を狙ったサイバー攻撃がますます巧妙化し、情報漏えいのリスクが社会問題となっています。そんな状況のなか、情報セキュリティのエキスパートとして求められるのが「情報処理安全確保支援士(通称:登録セキスペ)」です。
この記事では、情報処理安全確保支援士試験の概要や特徴、取得するメリット、さらに合格へのポイントについてご紹介します。セキュリティ領域でのキャリアアップを狙う方は必見です!

1. 情報処理安全確保支援士とは?

情報処理安全確保支援士とは、独立行政法人情報処理推進機構(IPA)が実施する「情報処理安全確保支援士試験」に合格し、国家資格として登録した人が名乗れる資格です。経済産業省認定の国家資格であり、次のような特徴があります。

信頼性の高さ
国家資格としての公的な信頼度が高いため、企業や公的機関においてセキュリティの経験や知識を証明しやすいというメリットがあります。

幅広い知識・スキルセット
ネットワークやOS、暗号技術、法令・規制など、セキュリティに関する幅広い分野の知識が問われます。

実践力の証明
サイバー攻撃が発生した場合のインシデント対応やリスク管理など、実務で必要となるスキルも評価される試験です。

登録セキスぺへの登録(有料)
情報処理安全確保支援士になると、登録セキスぺに登録することができます。登録すると、資格を保有していることをロゴマークで示せます。また、時代とともにアップデートされるセキュリティ技術に関する知識を継続的に習得できるよう、講習を受講できます。

2. 試験概要

● 試験日
年2回(春期と秋期)実施され、通常は以下の時期に開催されます。
・春期:4月中旬ごろ(今年は4月20日(日)※受験申し込みは〆切済み)
・秋期:10月中旬ごろ(今年は10月12日(日)予定)

● 受験料
受験料は7,500円(税込)。IPA公式サイトから受験の申し込みを行い、指定の期限までに受験料を納付する必要があります。

● 試験の区分と内容
大きく下記の3つの区分に分かれています。

<午前I>
・四肢択一形式(選択式)で、基本的なIT全般(テクノロジ系・マネジメント系・ストラテジ系)にわたる幅広い知識が問われます。
・他の情報処理技術者試験(プロジェクトマネージャ、データベーススペシャリストなど)と共通の出題範囲です。
<午前II>
・午前Iより深みのある四肢択一問題で、セキュリティ領域に特化した出題になります。
・ネットワークや暗号技術、アクセス制御、関連法規など、専門的な内容に踏み込んだ問題が中心となります。
<午後>
・記述式や論述式の問題が出題され、具体的なケーススタディに基づき、リスク分析や防御策の提案などを行います。
・ネットワーク設計図の読み解きやインシデント対応など、実務レベルでの理解・説明が求められるため、論理的思考力・記述力が鍵となります。

合格率は例年15~20%ほどと、情報処理技術者試験のなかでも難易度が高めですので、しっかりと計画を立てて学習を進める必要があります。

 

3. 資格を取得するメリット

● キャリアアップ
「セキュリティの専門家」として認知度が高まるため、社内外での信頼度がアップします。セキュリティコンサルタントや情報セキュリティ責任者など、幅広いキャリアパスが開けます。

● 専門家としての社会的評価
国家資格としての公的な裏付けがあるため、企業・官公庁との取引や顧客対応においても安心感を与えられます。

● 最新知識へのアップデート
登録セキスぺ制度に登録すると、常に最新の脅威動向や対策技術を学ぶ機会が得られます。結果として、実務レベルでのスキルが向上し続けられるというメリットがあります。

4. 合格するためのポイント

● 過去問を繰り返し解く
出題の傾向や問題の形式をつかむうえで、過去問演習は欠かせません。午前I・午前IIは知識重視、午後は記述力重視で対策が異なるため、それぞれの形式に合わせて学習しましょう。IPAのホームページにも過去問は掲載されています(↓にリンク貼っておきます)ので、そちらを活用しても良いですが、各問題に対する詳しい解説はないので、参考書を購入して学習するのが得策かと思います(テキストとしても使えますし)

www.ipa.go.jp


● 幅広い分野をまんべんなくカバー
午前Iではテクノロジ系だけでなく、マネジメント系やストラテジ系の問題も出題されます。たくさん勉強してきたのに、午前Iでしくじって不合格というのは絶対に避けたいですよね。基本事項を網羅し、苦手分野をなくしておくことで足切りを回避できます。
とはいえ、こちらは基本的に過去問を解いておけばよほど問題ないと思います。

● 最新のセキュリティニュースをチェック
普段からIT関連のニュースやセキュリティレポートを確認し、用語や対策方法を押さえておきましょう。

●午後問題は論理的な構成力を鍛える
午後の論述や記述問題は、いかに論理的にまとめられるかが肝になります。問題文の要件を的確に把握して、自分の考えを簡潔に伝えられるよう、日頃から文章作成に慣れておくと効果的です。

まとめ

サイバーセキュリティの重要性が日増しに高まる現代、情報処理安全確保支援士試験に合格し、国家資格として登録されることで「セキュリティのプロフェッショナル」であることを公的に証明できます。試験の難易度は決して低くはありませんが、この資格を取得することで得られるキャリアアップや社会的評価はもちろん、実務でのスキルアップにも大きく寄与します。

これからセキュリティ分野へ本格的に挑戦したい方、あるいは既にIT業界で活躍していてさらに専門性を高めたい方は、ぜひ情報処理安全確保支援士試験への挑戦を検討してみてはいかがでしょうか。